こんにちは!流山おおたかの森西口の歯科医院 松井デンタルオフィスです!
前回より「小児口腔機能発達不全症」にキャンセルブログをスタートしています。
聞き慣れない言葉ではありますが、現在非常に関心を集めている分野です。
II. 口腔機能発達不全症とは?なぜ早期発見が重要なのか
口腔機能発達不全症の定義と背景
口腔機能発達不全症は、日本歯科医学会や日本小児歯科学会が提唱する概念で、小児期において口腔周囲の筋肉や舌の機能が十分に発達せず、咀嚼(噛むこと)、嚥下(飲み込むこと)、発音、呼吸といった口腔機能に問題が生じる状態を指します
かつては虫歯や歯周病の治療が歯科医療の中心でしたが、近年では「予防」の重要性が高まるとともに、口腔機能の正常な発達が、お子様の全身の成長や健康に不可欠であるという認識が広まってきました

厚生労働省「歯科医療についてその(1)」よりP28抜粋。
※オーラルフレイル:オーラルフレイルは,口の機能の健常な状態(いわゆる『健口』)と『口の機能低下』との間にある状態です。オーラルフレイルであると,将来のフレイル,要介護認定,死亡のリスクが高いことがわかっています。
日本老年歯科医学会より抜粋https://www.gerodontology.jp/committee/002370.shtml
なぜ早期発見・早期改善が重要なのか
お子様の口腔機能の発達は、成長とともに進みます。この大切な時期に問題を見過ごしてしまうと、以下のような様々な悪影響が生じる可能性があります
日本歯科医学会より「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r06/document-240402-2.pdf
- 将来の歯並び・噛み合わせへの影響: 食べ物をしっかり噛めないと顎の発育が遅れ、歯並びや噛み合わせが悪くなる原因となります
。 - 発音の問題: 舌や口の筋肉がうまく使えないと、「サ行」や「タ行」などの発音が不明瞭になる「構音障害」を引き起こすことがあります
。 - 口呼吸の習慣化: 鼻呼吸がうまくできないと、常に口が開いた状態になり、口呼吸が習慣化します。これは顔の成長や歯並びに悪影響を及ぼすだけでなく、睡眠の質の低下や免疫力の低下にも繋がります
。 - 消化不良や体調不良: 食べ物を十分に噛み砕けないと消化不良を起こしやすくなり、栄養吸収にも影響が出ることがあります。また、口呼吸による口腔内の乾燥は、虫歯や歯周病、風邪などの感染症にかかりやすくなるリスクを高めます
。 - 顔立ちへの影響: 口呼吸や舌の位置の異常は、顔の筋肉の発達に影響を与え、顔立ちがいびつになる可能性も指摘されています
。
これらの問題は、成長が進むにつれて修正が難しくなるため、小児期のうちに適切な対策を講じることが、お子様の健やかな成長と将来の健康を守る上で非常に大切なのです
松井デンタルオフィスは、この地域で「生涯にわたる口腔ケア」を通じて、お子様たちの健やかな成長をサポートすることを使命としています。
お子様の口腔機能発達不全症は、保護者の方が日々の生活の中で気づくサインが非常に重要です。もし、少しでも気になる症状があれば、「まだ小さいから大丈夫」「そのうち治るだろう」と放置せず、お早めに当院にご相談ください。
松井デンタルオフィス 松井 寛