こんにちわ!流山おおたかの森西口の歯科医院 松井デンタルオフィスです!
※今回の話は当院で行っている専門診療の一部となります。保険診療、また自由診療の話も含まれていますが、現在行える歯科医療のご紹介になります。ご自身に当てはまるかは実際の診察次第となりますので、お気軽にご相談ください。
今回は口腔外科のお話です。
口腔外科のイメージは皆さん多分「抜歯」が1番はじめに来ると思います。
抜歯も非常に重要な口腔外科の1分野です。が、口腔外科、そして歯科における外科処置技術、知識は抜歯のみに限定されるものではありません。
歯周病治療、歯内療法(根管治療)、インプラント、審美歯科、予防歯科
どのジャンルでも外科処置、外科的な解剖の知識・技術はとても大切で欠かすことは出来ません。
では、虫歯を削る、汚れを落とす以外で外科的な処置が必要となる物はでどの様な治療があるのかをご紹介していきしょう。長文となってしまうため、何回かに分けて行きたいと思います。
歯周病治療…歯肉剥離を伴う歯周病治療、骨再生を行う歯槽骨再生治療
歯周病治療の基本は歯根周囲のプラークや歯石を落としていくスケーリングと呼ばれるクリーニングですが、歯周ポケットが4mmを超えてくると普段使用している器具では深部の汚れが取りづらくなり見落としが増えてきます。そのため、麻酔を行った上で歯茎をめくり、目視しながら汚れを落としていく歯肉剥離掻爬術を行う必要があります。
ただ、歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうは)は汚れを落とし歯茎が引き締まる反面、歯茎が下がってしまう欠点があります。そのため、歯槽骨を再生させる歯周再生療法が行われ始めています。特殊な製品を使用し、外科技術もより専門的になりますがあまり歯肉を下げること無く骨を再生させ、歯の動揺をなくすことが出来ます。
骨再生治療では昔からエムドゲインという材料が広く使用されていましたが、最近はリグロスという日本製の材料も使用され始めています。当院はリグロス認定歯科医院として使用しております。
Dr. Cortellini 歯周組織再生治療
の論文によれば、抜歯適応の歯においても歯周組織再生治療を行うと10年間で88%の歯を保存できたとの発表があります。
※海外では抜歯基準が日本よりも早い(保険診療が少ないためリスクを残さない傾向があります)です。日本では元々残す選択の歯も抜歯基準になっているため、高い成功率に見えている可能性あります。
※再生できる歯槽骨の量は限局的な歯周病による骨欠損が適応です。全顎的な歯周病で広範囲に下がってしまっている骨を、歯が生えた当初のような骨の状態に戻せるわけでは有りません。
歯内療法…歯根嚢胞摘出術、根尖切除術、逆根管充填、意図的再植術
根管治療は根の中からの汚染物の除去、消毒が基本的な術式です。感染根管処置(1度根管治療を行った歯の先に膿ができてしまった歯の治療)をマイクロスコープやラバーダムを用いて専門医が治療したとしても、根管内からの治療のみでの治癒率は100%ではありません。80−90%と言われています。※この数値もとんでもなく高い数値です。
残りの10−20%を治すために外科処置を伴う根管治療が必要であるというのが、現在の根管治療専門医の認識です。骨の中にできた膿を外科処置によって除去し、必要に応じて歯根側から治療する事で根の内側からの治療だけでは治らない症例を治癒させます。
ラバーダムを使用しない根管治療では、まず根尖性歯周炎を治すことが出来ません。
※当院においても根管治療時にはマイクロスコープ・ラバーダムを使用しておりますが、根管治療専門医と同様の治療成績は出せません。技術・知識・使用できる材料の違いなどには大きな差があります。そのため、難治性症例の場合には根管治療専門医をご紹介致します。
各分野において、外科処置を伴う歯科治療の紹介を行っております。口腔外科で行うのは単なる抜歯だけではなく、
「歯を残すための治療」
においても非常に重要な知識、技術と皆様に感じていただければ幸いです。
今回は歯茎の再生療法、根管治療における外科処置を紹介いたしました。
他院にて出来ないと言われた患者様でも、もしかしたら違う治療方法がご報告できるかもしれません。お気軽にご相談ください。
松井デンタルオフィス